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iDeCoと国民年金基金の違いって?

iDeCoと国民年金基金は、いずれも老後の資産形成に役立つ制度・仕組みですが、中身は全く違います。

今回はiDeCoと国民年金基金の違いについて解説します。

iDeCoと国民年金基金についておさらい

まず、iDeCoと国民年金基金がそれぞれどのような制度なのかを理解しましょう。

どちらも老後の資産形成のためのものですが、ご自身の状況によって加入すべき制度は変わってきます。

iDeCo

iDeCoは、個人型確定拠出年金のことで、自分で運用する年金制度で、私的年金と言われることもあります。

自分で掛け金を決めて運用商品を選び、積み立てていく制度で、加入の際には一定の条件がありますが、基本的に20歳から65歳未満のすべての方が加入できます。

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国民年金基金

国民年金基金は、自営業やフリーランスの方が、国民年金に上乗せして加入できる公的な年金です。

国民年金の第1号被保険者で20歳〜60歳未満の方が加入でき、60歳以上65歳未満の方や海外に住んでいて国民年金に任意加入している方も加入できます。

iDeCoと国民年金基金の3つの違い

iDeCoと国民年金基金には大きく3つの点で違いがあります。

違い①税制上のメリット

iDeCoと国民年金基金のどちらにも税制上でメリットがありますが、iDeCoには、3つの税制上の優遇があります。具体的にどういったものなのかを見ていきましょう。

iDeCoの場合

掛金の全額控除
iDeCoで払った掛金すべてが小規模企業共済等掛金控除の対象です。

課税される所得額から掛金が差し引かれることで、所得税と住民税が軽減されます。

運用時の非課税
通常、株式や債券などの金融商品の運用益には、20.315%の税金がかかりますがiDeCoの運用益は非課税で再投資されます。

受給時の所得控除
一時金の場合は退職所得控除、毎月受け取る年金の場合は公的年金等控除が受けられます。

国民年金基金の場合

掛金の所得控除
国民年金基金で払った金額はすべて社会保険料控除の対象となり、所得税・住民税が軽減されます。

一般の個人年金の場合、控除は最大4万円までと上限がありますが、国民年金基金はありません。掛金が多ければ多いほど、節税効果があります。

受給時の所得控除
国民年金基金を受け取るときには、雑所得の公的年金等控除が受けられます。(※)民間の保険会社の年金ではこの控除は受けられません。

違い②受け取り方

iDeCoは基本的に有期年金ですが、国民年金基金は終身年金を基本としています。

また、受け取り開始年齢は、加入時期によって異なるものの、iDeCoは60~65歳、国民年金基金は原則65歳からの受け取りです。

違い③受給額の決まり方

iDeCoは、加入期間や掛金、運用商品の成績によって受け取れる額が決まります。

つまり、運用成績が良いほど受給額は多くなるものの、元本割れを起こす可能性もあることを知っておきましょう。

一方、国民年金基金は、基金の規定に基づいて受け取れる金額が確定しています。

確実に受け取れる金額がわかっている点で安心感はありますが、物価上昇などで、お金の価値が下がり、いざ受け取るときになったら少ないという可能性もあります。

ご自身が許容できるリスクを考えた上で、ニーズに合った制度を選ぶことが大切です。

iDeCoは運用指示が必要で、国民年金基金は運用指示が不要と覚えておきましょう

iDeCoと国民年金基金は併用できる

iDeCoと国民年金基金、どちらも老後の資産形成のための年金ですが、税制上のメリットや受給額の決まり方などに違いがあります。

なお、これらの制度は併用することで、将来の年金受給額を増やすことができます。

また、税制上の優遇を最大限に活用し、受給額の受け取り方の幅も広がります。ただし、併用時の掛金の上限は両方合わせて月額6万8,000円です。

「iDeCoと国民年金基金、どちらが合っているかわからない」「併用した方がいい?」など疑問がありましたら当センターまでぜひご相談ください。

安心して老後を迎えるために、今からできることを一緒に考えていきましょう。

執筆者:ISA・iDeCo相談センター編集部