投資信託を売却する際には、手数料がかかります。そのうちの一つが、信託財産留保額と呼ばれるものです。今回は、信託財産留保額について解説します。
信託財産留保額とは
投資家が投資信託を解約すると、運用会社は組み入れられている株式や債権などを売却し、現金を確保する必要があります。
売却時にかかる費用を運用会社ではなく投資家が負担することがあり、このお金のことを信託財産留保額と呼びます。(金額は投資信託ごとに異なります)
投資家から預かった資金を運用する投資信託では、できるだけ長期・安定した運用を目指しており、解約する投資家が多ければ安定的な運用が難しくなる局面もあるでしょう。
そこで、信託財産留保額を設けることで解約時の影響を小さくし、解約した人からの「置き土産」ともいえるお金で運用を継続することとしています。
「信託財産留保額がかかる投資信託は良くない」というイメージを抱くかもしれませんが、安定的な運用を目指すために必要な費用と考えると、投資家として気持ち良く払うことができるのではないでしょうか。
なお、信託財産留保額は別途支払うのではなく、解約金から差し引かれ、投資信託の財産に組み入れられます。
信託財産留保額がない投資信託(ファンド)もあります。
詳細は目論見書に書かれていますので必ずチェックしましょう。
見方を変えてみよう
投資信託を購入する際は、少しでもコストを抑えたいと考える方もいるでしょう。
しかし、これはあくまでも「解約する投資家」としての目線であり、長期保有している投資家としては「できるだけ長期で安定した運用が望ましい」と考えるでしょう。
信託財産留保額があれば、解約時の(ファンドに与える)影響が小さくなることを踏まえ、あえて信託財産留保額のある商品を選ぶのも一つでしょう。
当センターでは、投資信託を扱うNISAやiDeCo、企業型確定拠出年金などの資産運用をサポートしています。
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執筆者:NISA・iDeCo相談センター編集部