iDeCoの控除証明書は、iDeCoの加入者が1年間に支払った掛金の金額を証明する書類で、正しくは小規模企業共済等掛金払込証明書といいます。
iDeCoの掛金は全額所得控除されるため、控除証明書を提出することで所得額から掛け金としての拠出分を差し引かれます。
そのためには、年末調整や確定申告の際にiDeCoの控除証明書が必要です。
今回はiDeCoの控除証明書についてまとめました。
https://nisa-ideco-soudan.ashitaba-mirai.jp/2023/04/13/ideco_merit/
控除証明書の発送スケジュール
年末調整や確定申告に必要なiDeCoの控除証明書ですが、その年の最初の掛け金がいつ引き落とされたかによって、証明書の発送日が違います。
毎月払いでiDeCoの掛け金を拠出している場合の控除証明書の発送スケジュールは以下の通りです。
引き落としがあった月 | 発送日 |
9月までに引き落としがあった場合 | 10月末 |
10月に初めて引き落としがあった場合 | 11月末 |
11月に初めて引き落としがあった場合 | 12月末 |
12月に初めて引き落としがあった場合 | 翌年1月末 |
10月以降にiDeCoに加入した方は、加入した翌月末に発送されます。なお、給与から天引き(事業主払込)に設定している方は、証明書は発行されません。
また、年単位拠出に設定している方は、9月までに引き落としがあった場合も、10月~12月に初回の引き落としがあるように予定されている方も原則は10月末で、引き落とし不能の場合は11月以降にずれ込みます。
詳細は、iDeCoの公式ホームページをご参照ください。
iDeCoの控除申請の仕方
控除証明書が送られてきても、「どうすればいいのかわからない」という方もいるのではないでしょうか。
ここでは、年末調整と確定申告における手続きの方法をそれぞれお伝えします。
①年末調整
企業に勤めている方は、勤務先での年末調整にて控除を受けることができます。
企業から渡される「給与所得者の保険料控除申告書」の右下にiDeCoの掛金を記載する欄があります。
「小規模企業共済等掛金控除」の「確定拠出年金法に規定する個人型年金加入者掛金」の欄にiDeCoで支払った金額を書きます。
また、書類に書いただけでは控除が受けられず、書類を提出する際に控除証明書を一緒に出しましょう。
②確定申告
個人事業主や自営業者の方は、確定申告でiDeCoの控除を利用します。
e-taxを利用して確定申告する際の手順
所得税及び復興特別所得税の確定申告書作成コーナーより
→生年月日を入力
→所得控除の入力欄の「小規模企業共済等掛金控除」入力するをクリック
→確定拠出年金法の企業型年金・個人型年金加入者掛金(iDeCo(イデコ))欄に支払った金額の総額を入力
書面で確定申告をする際の手順
確定申告書Bの「小規模企業共済等掛金控除」の欄に支払った金額の総額を記入
→「掛金の種類」の欄に「個人型確定拠出年金」と記入
→控除証明書と一緒に税務署に提出
※記入の仕方に不明点がある場合は、お近くの税務署にお問い合わせください。
iDeCoの控除証明書に関するよくある質問
Q.iDeCoの控除証明書の再発行はできますか?
A.iDeCoの控除証明書は再発行できます。
iDeCo口座を開設している金融機関から再発行を申請しましょう。
ただし、即日での発行が難しいことが多く、再発行された証明書が届くまで3週間ほどかかるため、紛失に気づいたら早めに申請しなければなりません。
Q.控除証明書に記載されている住所が引越し前のものでも使えますか?
A.引越し前の住所が記載されている控除証明書でも、所得控除の手続きに使うことができます。
しかし、住所が変わったら、iDeCoの口座を開設している金融機関から、「住所変更届」をダウンロードする、もしくは郵送で書類を請求して早めに手続きしましょう。
Q.年末調整で控除証明書を提出するとき、書類のどの部分が必要ですか?
A.年末調整をするにあたって、必要な部分は次の情報が記載されている部分です。
- 氏名
- 住所
- 基礎年金番号
- iDeCoで払った金額
- 12月までの間に払い込まれる予定の金額
- 合計金額
ハガキを切り取らず、そのまま原本を提出すれば問題ありません。
控除証明書が届いたら、大事に保管しておきましょう。
Q.年末調整をし忘れたときはどうしたらいいですか?
A.確定申告でiDeCoの所得控除を受けましょう。
小規模企業共済等掛金控除として申請すると、所得税の差額が戻ってきます。
給与から天引きしている(事業主払込)場合は、企業が掛金額を把握しているため、その額で年末調整が行われますので、年末調整後にもらう源泉徴収票で控除を受けられているか確認しましょう。
iDeCoの控除証明書は大切に保管しよう
iDeCoの控除証明書は、所得控除を受けるために必要な大事な書類です。
そのため、手元に届いたら大切に保管しましょう。
iDeCoの控除利用にあたり、不明点がある場合は、企業の担当者、もしくは最寄りの税務署に問い合わせましょう。
当センターでは、iDeCoに関する相談をはじめ、NISAなど資産形成に関するお悩みにお応えしています。お気軽にお問合せください。
執筆者:NISA・iDeCo相談センター編集部