投資信託を購入する前には、必ず目論見書(もくろみしょ)が交付されます。
目論見書は専門用語が多く、わかりづらい書類ですが、投資判断に必要な大切な書類です。
今回は、この目論見書について解説します。
目論見書とは
目論見書とは、投資信託(ファンド)の詳細な情報が記載された書類です。
投資信託を購入する前に交付され、商品の特徴やリスク、運用方針などが記載されています。
目論見書には、投資信託の購入前に交付が義務付けられている交付目論見書と、投資家から請求が合った場合に交付される請求目論見書の2種類あります。
目論見書の役割
目論見書には、投資家が投資判断をするために、必要な情報を提供する役割があります。
運用方針やリスクについて開示することで、投資家に対して透明性を確保しています。
投資家は目論見書を読むことで、適切な情報を基づいた意思決定が可能です。
目論見書には、投資・運用にあたって必ず確認しておきたいさまざまな情報が記載されています。
目論見書の内容
目論見書に書かれている主な内容は、下記の通りです。
投資信託(ファンド)の目的・特色
目的は何か、投資対象はどこか、投資成果はどれくらい目指すかなどの運用方針が記載されています。
例えば、「ファンドの目的:信託財産の中長期的な成長を目指して運用を行なうことを基本とします」と定める投資信託もあります。
※キャピタル世界株式ファンド 投資信託説明書(交付目論見書)より引用
投資のリスク
投資信託にはリスクがつきものです。
目論見書では、価格変動リスク、為替変動リスク、金利変動リスクなど、どのようなリスクがあるか記載されています。
価格変動リスクとは
投資信託を売却するときの価格が、購入したときの価格より上がっているか、下がっているかが確実ではないことです。
為替変動リスクとは
外国の株式や債券などに投資し、換金するときに為替レードの変動によって生じる影響のことです。
金利変動リスクとは
金利の変動によって資産の価値が上がるか下がるか確実ではないことを指します。
運用実績
過去の投資信託(ファンド)の実績が記載されています。
過去のリターンやボラティリティが記載されており、運用成績を評価する材料となります。
ボラティリティとは価格変動の度合いを示します。
ボラティリティが大きいほど、価格の変動が大きく、リスクが高いと言えます。
手数料
信託報酬、販売手数料、信託財産留保額など、手数料の種類や金額が記載されています。
信託報酬とは
販売会社、運用会社、管理会社の業務に対するそれぞれの報酬のことです。
販売手数料とは
投資信託を購入する際に販売会社に払う手数料のことです。
信託財産留保額とは
投資信託を換金するときに払う費用です。
別途支払うのではなく、解約代金から差し引かれます。
目論見書を読むときのポイント
投資信託を購入する前には、必ず目論見書に目を通しましょう。
具体的に見るポイントとしては、次の2つです。
①投資先はどこか
投資先をどこにしているかで、リスクとリターンが変わります。投資対象や地域別に見るリスクとリターンの関係は以下の通りです。
※参考:SMBC日興証券「よく聞くリスクとリターンって?」を参考に当センターにて図解作成
ご自身の運用目標やリスク許容度を踏まえながら、投資先をどこにするか考えてみましょう。
指標は何か
投資信託ではベンチマークと言って、運用成果の目安とする指標があります。
例えば、日経平均株価やTOPIXなどがこれに当たります。
このベンチマークへの連動を目指すものがインデックスファンド、ベンチマークを上回る成果を目指すのがアクティブファンドです。
インデックスファンドは安定したリターンを得たい方に、アクティブファンドは積極的にリターンを得たい方に向いていると言えるでしょう。
目論見書を読んで自分にあった投資信託を選ぼう
目論見書には、投資信託を購入する上で大切な情報が記載されており、必ず目を通しましょう。
一人ひとり、リスク許容度や資産状況は違いますので、自分に合った投資信託を選び、資産を育てていきましょう。
当センターでは、ご相談者さまそれぞれに応じた資産形成のサポートをおこなっています。
iDeCoやNISA、企業型確定拠出年金など、わからないことがございましたら、お気軽にご連絡ください。
執筆者:NISA・iDeCo相談センター編集部