「確定拠出年金(以下、DC)の運用商品リストを勤務先から渡されたものの、よくわからないまま商品を決めた」
「これから加入商品を決めるところだが、商品の違いがよくわからない」
実はこういった悩みを抱く人は多く、知識がないまま運用商品を決めるのは不安ですよね。
DCにおける運用商品の種類
DCの運用商品には、大きく分けて2種類あり、元本確保型と価格変動型(元本変動型)と言われるものです。まず、それぞれがどういうものなのかを見ていきましょう。
元本確保型
1つ目の元本確保型とは、(積み立てた)元本が保証される運用商品です。
あらかじめ運用期間を決めておき、その期間が過ぎたときに、利息がつけられて戻ってきます。
具体的には、保険や定期預金などが挙げられます。なお、約束した運用期間より前に解約すると、元本割れする場合があるため気をつけましょう。
元本確保型のメリット・デメリット
元本確保型のメリット・デメリットを確認しましょう。
メリット:安全性が高い
元本確保型の運用商品は、安全性が高い点がメリットです。
例えば定期預金の場合、あらかじめ決められた金利で運用されます。
金利の変動がないため、元本を減らすことなく運用でき、商品によっても異なりますが、保険の場合、満期を迎えると配当金が支払われるものもあります。
デメリット:インフレに弱い
元本確保型のデメリットは、インフレに弱いことです。
インフレとは、ものやサービスの値段が上がることを言います。
見方を変えると、インフレ下ではお金の価値が目減りします。
元本確保型も同様で、資産を大きく増やすことは期待できず、将来の生活に必要な資金を思うように増やせないほか、インフレによって資産の価値が相対的に目減りしてしまう点には注意が必要です。
価格変動型(元本変動型)
元本変動型とは、運用によって元本が変動する運用商品です。
具体例としては、投資家から資金を集め、専門家が運用をおこなう投資信託が挙げられます。
運用成果がよければ資産が増えることがある一方で元本割れリスクがあります。
しかし、長期的に運用をおこなうことで、リカバリーできる可能性があるため、必要以上に心配することはありません。
元本変動型のメリット・デメリット
メリット1:資産を大きく増やすことができる
元本変動型のメリットとして、資産を大きく増やすことができる点が挙げられます。
市場や経済情勢が上向きであれば、運用成果も上がり、リターンが増え、資産を大きく増やせる可能性があります。
メリット2:インフレに強い
また、インフレに強い点も元本変動型のメリットです。
例えば、株式はインフレに強いとされています。なぜならインフレのときに、自社製品の価格を上げることで収益を増やすことができるからです。そして物価上昇と合わせて株価も上昇する傾向があります。
そこで、株式を対象とする投資信託を選ぶと、インフレ対策になるでしょう。
デメリット:元本割れする可能性がある
元本変動型のデメリットとして、元本割れする可能性がある点が挙げられます。
景気の悪化や災害などで、市場が下降すると、資産が減って元本割れする可能性があります。
DCの運用は長期目線が基本です。
長期的に運用することで、値動きによる元本割れのリスクを下げる効果が期待できます。
自分に合ったDC運用商品の選び方
「リスクは少しでも減らしたい」「リターンを積極的に狙いたい」など、運用商品に対する考えは人それぞれです。
ここでは、自分に合ったDC運用商品の選び方を解説します。
STEP1.自分に合った投資対象を知る
まずは、自分の考え方や資産状況に合った投資対象を知りましょう。
DCの運用商品には、株式をはじめ、債券、不動産投資信託(REIT)など、さまざまな投資対象があります。
商品ごとにリスクとリターンが異なるため、自分に合った投資対象を選ぶことが大切です。
その際には、自分の年齢やリスク許容度、運用目標などを考慮しながら決めましょう。
一般的に、若い方はリスクの高い投資対象の割合を多くし、年齢を重ねるにつれてリスクの低い投資対象に移行していくのがよいとされています。
STEP2.資産配分を決める
次に資産配分を決めましょう。
資産配分とは、どの投資対象に、いくら投資するかを決め、資産を分散させることです。
資産配分をおこなうことで、リスクを分散させることができます。
DC運用商品は自分に合ったものを選ぼう
元本保証型は元本が保証されていますが、大きなリターンを得ることは期待できません。
一方、元本変動型は、元本割れのリスクがあるものの、リターンを得て資産を大きく増やすことが可能です。
「とりあえずバランス型でいいか」といった安易な考えではなく、必要に応じて私たちFPにご相談いただければと思います。
当センターでは、DCをはじめ、iDeCoやNISAなど、資産形成をサポートしています。
「資産形成を始めたいけど何から始めたらいい?」「資産からどれくらい運用に回す?」など疑問がありましたら、お気軽にご連絡ください。
ご相談者さまに合わせた資産形成をお手伝いいたします。
執筆者:NISA・iDeCo相談センター編集部