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【用語解説】基準価額とは?

投資信託(ファンド)を活用した資産形成を始める人が増えています。

しかし、投資信託を売買する上で欠かせない基準価額の意味を正しく理解しているでしょうか?

今回は基準価額についてお伝えします。

基準価額とは投資信託の値段(時価)のこと

結論からお伝えすると、基準価額(きじゅんかがく)とは投資信託の値段を指します。

基準価額は、投資信託を買うときや売却(換金)する際の基準になる値段で、計算して公表されています。

特徴①基準価額は変動する

投資信託は、株や債券といった値動きがあるもの(値段が上がったり下がったりする資産)に投資するため、おのずと基準価額も投資先の価格に応じて変化します

※海外の資産に投資していれば、さらに為替の影響も受けます。

特徴②基準価額の算出方法

基準価額は、投資信託の一口あたりの値段で、通常は1万口あたりの基準価額が公表されています。

1口あたり基準価額は以下の通り算出します。

先述の通り、通常は1万口あたりの基準価額が公表されているため、上記の計算式に10,000をかけた数字が(1万口あたりの)基準価額です。

なお、純資産総額とはファンド(投資信託)が保有する資産から信託報酬と呼ばれる運用管理費用などを引いた金額です。

特徴③基準価額は1日1つ

投資信託と比較される投資対象に株式があり、上場している株式は、市場が開いている間は常に価格が上下し、タイミングに応じた株価で売買ができます。

しかし、投資信託の値段は、投資信託に組み入れられている株や債券の時価を元にして算出されるため、1日につき1つの値段がつき、株式のように常に値段が変動するものではありません。

また、投資信託の大きな特徴として、基準価額が公表されるのは、投資信託の申し込みを締め切ったあとです。

つまり、投資する際には、その投資信託をいくらの基準価額で購入するか知らないまま取引することになり、これをブラインド方式といいます。

もちろん、購入時だけでなく、換金(売却)する際も同様です。

基準価額が確定して、値段が分かったあとに売買ができるとすると、すでに投資信託を持っている投資家の利益が阻害されることになるためブラインド方式が採用されています。

いつの基準価額で購入・売却するの?

では、購入・売却した投資信託には、一体どの時点の基準価額が適用されるのでしょうか?

答えは、「投資信託によって異なる」です。

これは、ファンドが持っている資産ごとに時価評価の発表時間が違うために生じる現象であり、例えばアメリカと日本では時差の関係で取引終了時間が違い、この差が基準価額反映のタイミングに関わります。

つまり、海外市場に投資する投資信託は申し込み日の翌営業日、国内市場に投資する場合は申し込み当日に購入・売却する基準価額が決まります。

以下の図解を参考にしながら基準価額が決定するタイミングは投資先の投資信託によって異なること、さらに海外・国内市場ごとに異なることを理解しましょう。

(参考:楽天証券「基準価額が決定するタイミングは?」より筆者にて図解作成)

海外市場に投資する投資信託の場合

※筆者にて図解作成

海外市場に投資する投資信託の場合は、翌営業日に約定単価(実際に投資信託を売買する際の価格)が決まります。

国内市場に投資する投資信託の場合

※筆者にて図解作成

国内市場に投資する投資信託は、営業日当日に約定単価が決まり、売買の翌日には保有商品の残高がどれくらいかという点がわかります。

投資対象によって保有商品への残高反映のタイミングにも差が生じます。

まとめ

今回は投資信託の基準価額についてお伝えしました。

基準価額の決まり方や、基準価額が決まるタイミングはぜひともこの機会に覚えておきましょう。

また、当センターではNISAやiDeCoといった資産形成をサポートする制度の活用をお手伝いさせて頂いています。

これまで投資経験がない方、投資って怖いと思っている方こそ、ぜひ当センターを頼って頂きたいと思っています。

お気軽にご相談ください。

執筆者:NISA・iDeCo相談センター舘野聡子