投資信託はどのようなタイミングで売買が成立するのでしょうか?
投資信託の売買に関する用語には「約定(やくじょう)」や「受け渡し(うけわたし)」などいくつかありますが、これらは投資・運用を始める前にぜひ理解しておきたい用語です。
今回は、投資信託の「約定」と「受け渡し」について解説します。
約定とは
約定とは、当事者間の任意の合意に基づいて、ある事柄について取り決めることを指します。
投資信託の約定とは取引が成立した状態をいい、成立した日を約定日といいます。
なお、売買の注文を出した日のことを「申込日」と言い、申込日と約定日は投資対象によって異なります。
国内が対象:申込日=約定日
海外が対象:申込日の翌営業日=約定日
なお、約定にかかる日数はファンド(投資信託)によって異なるため、目論見書でよく確認しておきましょう。
受け渡しとは
受け渡しとは、売買の代金をやりとりすることをいいます。
この日のことを「受け渡し日」といい、一般的に約定日の2〜5日後に設定されています。
しかし、こちらもファンドによって異なることもあるため、目論見書で確認しておきましょう。
約定日と受け渡し日が違う理由
投資信託の場合、注文した時点ではどれくらい買えるかはわからないためです。
なぜなら、1つのファンドで、複数の株式や債券などに投資をしているため、基準価格が計算されるのは終値が出てからとなります。
基準価額が確定してから入金までに時間がかかるため、約定日の2〜5日後に受け渡しです。
また、申し込みの時点で資金がなければ注文できないようになっている金融機関が多いため気をつけましょう。
約定日と受け渡し日が違うことによる注意点
先ほど、注文が確定する約定日と代金のやりとりをする受け渡し日にずれがあることを説明しました。
このずれがあることで、NISAにおいて気をつけなければならない点が2つあります。
注意点1.受け渡し日が年を越さないようにする
NISAでは、年間の投資上限枠が決まっています。
このため、受け渡し日が翌年になってしまうと翌年の買付となるため、年間の上限枠まで使いきれない可能性があります。購入する投資信託の受け渡し日を事前に確認しておきましょう。
注意点2.分配金ありのファンドは決算日前に約定する
投資信託のなかには、分配金がもらえるものもあります。
決算日前の営業日に約定されていれば、もらえる権利があります。目論見書を確認し、決算日前に約定するように設定しましょう。
約定日と受け渡しの違いを理解して購入しよう
今回は、約定日と受け渡しについて解説しました。
これまで気にしたことがなかったかもしれませんが、約定日と受け渡しについては正しく理解しておくことが必要です。
執筆者:NISA・iDeCo相談センター編集部