NISA

20代がNISAを活用して投資・運用するときのコツ

最近、「新NISA」の文字を見かけることが多くなりました。

2024年からNISA制度が新しくなるだけでなく、(新)NISA制度そのものが若年層の資産形成にぴったりの制度だからです。

特に20代は、運用できる期間が長いため、より資産を増やせる可能性があります。

今回は、20代がNISA制度を活用して運用するときのコツや注意点を解説します。

20代の投資事情

20代の方で投資をしている方はどれくらいいるのでしょうか。

金融庁の「NISA口座の利用状況調査(2023年3月末時点)」によると、20代が保有しているNISA口座数は、一般NISAは41万5,209口座、つみたてNISA口座は150万7,759口座で合計192万2,968口座です。

月々の買付額を計算してみると、一般NISAは2万9,286円、つみたてNISAは1万5,401円となっています。

一般NISAは年間120万円、つみたてNISAは40万円が上限であることを考えると、NISA制度の上限いっぱいまで投資・運用をしているというよりかは、無理のない範囲で投資をスタートしている人が多いことがうかがえます。

20歳から始めたときのシミュレーション

20歳から資産運用を始めると、どのように増えていく可能性があるのか、シミュレーションしてみましょう。

ここでは、先ほどのつみたてNISAの平均買付額である月額1万5,000円を年利3%で運用したときにどうなるかを以下で示しています。

投資元本 運用益 合計
30歳 180万円 29万1,720円 209万1,720円
40歳 360万円 130万2,817円 490万2,817円
50歳 540万円 328万696円 868万696円
60歳 720万円 655万7,849円 1,375万7,839円

※上記はあくまでシミュレーションであり、実際の投資結果とは異なります。

毎月一定額を投資し続けることで、40年後(60歳)には大きな利益を見込むことができます。

買付額が少なくても、長期運用すれば資産を大きく増やすことが可能です。

20代のNISA運用のコツ

20代はまだ働き始めてからの期間が短いため、投資に回せる金額はそれほど多くないかもしれません。

しかし、20歳から60歳まで40年運用すると考えると、長期運用によって下落してもそこからの回復も見込むことができます。

コツ1:少額から始める

投資は大きな資金がないとできないと思っているかもしれませんが、決してそうではなく例えば月に数千円からスタートすることも可能です。

投資の成績は、口数×価格で決まります。

つまり、価格(基準価額)が低くても、(購入した)口数が多ければ成績が上がるということであり、一定額を定期的に購入する投資信託では、価格が低ければ口数を多く買うことが可能です。

つみたて投資は、まさにこの口数を積んでいく(積み重ねていく)行為だと捉えることができますね。

価格が下がってもデメリットはないこと、また、少額から始めればリスクも少なく、投資が初めての方でも安心して続けられるでしょう。

コツ2:非課税枠の再利用を有効活用する

来年から始まる新NISAでは、非課税枠の再利用が可能です。

例えば、マイホームの購入や子どもの進学など、まとまったお金が必要になるライフイベントに合わせて、これまで積み立てて運用してきた資産を売却して現金化できます。

また、売却した分の枠は翌年に復活するため、復活した枠を使って再度投資するなど資産形成を継続することが可能です。

ただし、このとき気をつけなければならないのが、購入した金額で計算される点です。

例えば、子どもの入学費として20万円分(評価額25万円)を売却したとすると、翌年に20万円分が復活するということです。

新NISAの生涯非課税限度額は1,800万円であり、仮に毎年360万円(満額)を投資し、5年目で1,800万円の枠を使い切ったとしても、売却してしまえば翌年に復活し、6年目以降も継続して投資できます。

新NISAの非課税枠の再利用ってなに?新NISAでは、非課税枠を再利用できることが決まっています。現行NISAにはない仕組みのため、新NISAスタート前に詳細を確認し、上手に使えると良いですね!...

コツ3:2つの枠を使い分ける

新NISAには、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2種類の枠が用意されています。

つみたて投資枠では、年間120万円まで投資が可能で、長期の積立、分散投資に適した投資信託が対象です。

一方、成長投資枠は年間240万円まで投資ができ、上場株式やETF、REITなど、幅広い商品が対象です。

20代は投資が初めての方も少なくないため、つみたて投資枠で定期的に一定額を購入し、コツコツ資産を積み上げていくのがおすすめです。

さらに、投資を始めてみて、「資金に余裕がある」「もう少し投資・運用にまわしたい」という場合は成長投資枠で商品を購入するのも一つでしょう。

ただし、投資にはリスクが伴うことを理解し、「投資で一攫千金を狙う」といったことは厳禁です。

NISAを運用する際の注意点

来年から始まる新NISAでは、非課税期間が無期限になり、非課税枠の再利用ができたりと使い勝手が格段に向上します。

しかし、だからといって、頻回の取り崩しは資産形成において悪手といえます。

取り崩す回数が多くなることで複利効果が小さくなり、結果として「あんまり増えない」という事態を招くことにつながります。

5年以内に使う予定のある資金は現預金で確保し、できるだけ長期間の運用ができる環境を意識することで、リスクも抑えられ、安定してリターンを得られます。

時間をうまく活用して資産を増やそう

20代は、老後を迎えるまで長い時間があるため、たとえ少額でも、時間を味方につけることで資産を大きく増やせる可能性があります。

資産形成を考える上では、投資・運用を早く始めて長く続けることが非常に大切です。

当センターでは、NISAをはじめ、iDeCoや企業型確定拠出年金など、資産形成をサポートしています。

「NISAをどう始めたらいい?」など疑問がありましたら、お気軽にご連絡ください。

執筆者:NISA・iDeCo相談センター編集部