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【用語解説】ドルコスト平均法とは

投資や資産運用では「ドルコスト平均法」という言葉がよく出てきます。

「聞いたことはあるけど、よくわからない」という方もいるでしょう。

長期的な視点を持つことが大切な資産形成において、重要な考え方です。

今回はドルコスト平均法の概要を解説した上で、一括投資との違いについても併せて解説します。

ドルコスト平均法とは

ドルコスト平均法とは、金融商品を定期的に一定額ずつ購入する方法をいいます。

安いときには多く、高いときには少なく購入できるため、購入価格を平均化できる点が特徴です。

購入価格を平均化することで、高値掴み(相場が上がるだろうと思って高値で買った銘柄が、その後値下がりすること。)のリスクを抑えられます。

ドルコスト平均法のメリット

ドルコスト平均法は、投資がはじめての方でも、安心してできるメリットが3つあります。

メリット1.市場の変動を気にする必要がない

ドルコスト平均法では、市場の変動を気にする必要がありません。

価格が下がればより多く購入でき、反対に、上がれば少なく購入できます。

例えば、株式は「安いときに買い、高いときに売る」ことで利益を得るため、買ったり売ったりするタイミングがとても重要です。

しかし、ドルコスト平均法では、市場が急落しても、必要以上に恐れる必要はありませんので、まずはコツコツと資産を運用しましょう。

メリット2.一度設定すれば自動で買い付けできる

証券会社や銀行によって名前は異なりますが、多くの金融機関では自動積み立てサービスを提供しています。

金融商品や購入日、買付金額、引き落とし先など、一度設定すれば、自動で買い付けが可能ですので、普段忙しい方でも、手間をかけることなく資産運用を継続できます。

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投資は少ない資金でも始めることができ、多額の資金を一度に投入するのではなく、少額でも定期的に投資することで、市場の変動に対するリスクを減らせます。

また、複利効果によって時間の経過とともに資産も増えていくため、長期的な資産形成が可能です。

ドルコスト平均法のデメリット

ドルコスト平均法を活用すると、投資初心者でも安心して資産運用ができますが、デメリットもあります。

繰り返しになりますが、ドルコスト平均法は、長期運用をすることで、平均購入価格を抑え、利益を上げる手法です。

そのため、短期間で大きな利益を上げることには向いていません。

例えば、下落しているときに投資を開始した場合、平均購入単価は下がりますが、価格が上がる前に売却してしまうと、利益を上げることができません。

運用期間が短いと、期待するような運用成果が得られない可能性があります。短い期間で利益を得ようとするのではなく、コツコツと投資を続けることが大切です。

ドルコスト平均法と一括投資法(スポット投資)の違い

コツコツとドルコスト平均法で運用するより、多額の資金でまとめて買う一括投資の方が利益を得られるのではないか、と考える方もいるでしょう。

ここでは、相場が上昇しているときと下落しているとき、どうなるかを見ていきます。

相場が上昇しているとき

相場が上昇しているときは、一括投資の方が利益を上げやすくなります。

購入したときよりも価格が上昇すれば、投入した資金も価格が上がるため、利益が上がります。

また、投資する金額も多いため、短い期間で複利の効果を得やすくなります。しかし、ドルコスト平均法でも、着実な値上がりが期待できます。

相場が下落しているとき

相場が下落しているとき、一括投資では大きく損失が出る可能性があります。

一方、ドルコスト平均法では、価格が低いときも購入をし続けるため、損失を取り戻すまでの時間が短くなります。

価格が下がれば口数(量)をより多く買えるため、その後、相場が上向きに転じた際にも利益につながる仕組みです。

ドルコスト平均法で長期運用をしよう

ドルコスト平均法は、コツコツと定期的に一定額を購入することで、平均購入価格を下げ、市場の変動リスクを受けにくくなります。また、自動で積立してくれる金融機関も多いため、手間がかからず、忙しい方にもおすすめです。

当センターでは、ドルコスト平均法を活用した、NISAやiDeCo、企業型確定拠出年金などの資産形成をサポートしています。

「投資を始めた方がいいのはわかっているけど、何から始めていいかわからない」という方は、ぜひお問合せください。

執筆者:NISA・iDeCo相談センター編集部