来年から新制度としてNISAが生まれ変わるため、NISAへの関心度は非常に高いです。
現在、NISAを利用している方はどれくらいいるのでしょうか。今回はNISAの利用状況を詳しくみていきましょう。
NISAの口座数
2023年3月末の時点で、NISA(一般NISA・つみたてNISA)の口座数は1,237万口座です。
日本の人口が約1.2億人であることから、単純に計算すると約10人に1人が口座を持っていることになります。
なお、一般NISAの口座数は698万、つみたてNISAの口座数は540万となっており、一般NISA口座の方が多くなっています。
年代別の口座数
年代別の口座数は次のグラフの通りです。
参考:日本証券業協会「NISA口座開設・利用状況調査結果(2023年3月31日現在)」より
年代別に見ると、30代が256万口座と一番多く、40代が248万口座と続いています。
また、20〜40代においては、一般NISAよりもつみたてNISA口座数の方が多いのも特徴といえるでしょう。
参考:日本証券業協会「NISA口座開設・利用状況調査結果(2023年3月31日現在)」より
続いて、口座数の開設推移を見てみると、どの年代においても増えているのがわかります。
特に、この3年ほどは、20〜50代において口座数がよく増えています。
「貯蓄から投資へ」の動きが顕著になっているのがわかりますね。
投資未経験者の割合
NISAは初心者の方でも投資を始めやすいようにつくられた制度です。
では実際に、投資未経験者の方はどれくらいいるのでしょうか。
日本証券業協会「NISA口座開設・利用状況調査結果(2023年3月31日現在)について」によると、2023年3月末の口座開設者における投資未経験者の割合は下記のとおりです。
一般NISA口座 51.0%
つみたてNISA口座 89.9%
一般NISA口座においては約2人に1人、つみたてNISA口座においては高い確率で投資が初めてという方が多いようです。
少額から積み立て投資が始められるという点ではどちらも同じですが、投資経験者は個別株が購入できたり非課税枠の上限が大きい一般NISAを選ぶことも多いとわかります。
年代別の新規買付額
年代別の新規買付額を見ていきましょう。
参考:日本証券業協会「NISA口座開設・利用状況調査結果(2023年3月31日現在)」より
上記のグラフから分かる通り、40代が一番多く、2,292億円です。
30代、50代〜70代は2,000億前後となっています。
内訳を見ると、やはり若い世代がつみたてNISAの割合が多く、年齢が上がるにつれ、一般NISAの割合が多くなっているのがわかります。
一般NISAの商品別買付額
一般NISAでは、ETFやREITに投資できます。
一般NISA買付額3月末時点 | 商品別比率 | |
総額 | 1兆1780億5526万円 | 100.0% |
上場株式 | 6548億3081万円 | 42.8% |
投資信託 | 4537億6922万円 | 53.8% |
ETF | 615億3592万円 | 2.7% |
REIT | 79億1930万円 | 0.8% |
買付額を見ると、投資信託が53.8%と一番多く、次いで上場株式が42.8%となっています。
ETFとは
取引所に上場している投資信託で、指標の動きに連動する運用成果を目指したものです。上場しているため、株式と同じように、証券会社を通じて売買をします。
REITとは
不動産投資信託のことです。投資家から集めたお金を不動産に投資し、売却したときの利益や賃貸の収入を投資家に分配します。
つみたてNISAの商品別買付額
つみたてNISA買付額3月末時点 | 商品別比率 | |
総額 | 3878億7765万円 | 100.0% |
投資信託 | 3878億2683万円 | 99.98% |
インデックス投信 | 3532億1026万円 | 87.4% |
アクティブ運用投信等 | 217億9927万円 | 8.1% |
ETF | 5082万円 | 0.02% |
参考:金融庁「NISA・ジュニアNISA口座の利用状況調査(2023年3月末時点)」
買付額を見るとほぼ100%に近い方が投資信託を用いて運用しています。
また、インデックス投資信託とアクティブ運用投資信託の買付額を見ると、インデックス投信の方が圧倒的に多いです。
投資未経験の方も多いことから、指数に連動した運用が魅力だという考えの方が多いようです。
インデックス運用投資信託とは
市場全体の動きを示す指数に連動した成果を目指す投資信託のことです。代表的な指数として、日経平均株価やNYダウなどがあります。
アクティブ運用投資信託とは
市場全体の動きを示す指数以上の運用成果を目指す投資信託のことです。
NISAは今が始めどきです
ここ数年は20代〜50代において、口座開設数も増えており、関心が高まっているのがわかります。
資産運用は早ければ早いほど、複利の力で資産が大きくなる可能性があります。
そのため、新NISAが始まるのを待つのではなく、今すぐに始めましょう。
もし「どれくらいNISAにお金を回していのかわからない」「NISAってそもそも何?」とNISAに関する疑問やお悩みがありましたら、当センターまでご相談ください。
執筆者:NISA・iDeCo相談センター編集部