2024年からの新NISAのスタートまであとわずかとなりました。
新NISAの成長投資枠における対象商品が、一般社団法人投資信託協会から発表され、現在は1364本の商品が公表されています。
今回は、成長投資枠とは何か、成長投資枠の活用方法にフォーカスして解説します。
新NISAの成長投資枠とは
成長投資枠とは、2024年から始まる新NISAの枠組みの一つで、現在の一般NISAを引き継いだものです。(成長投資枠の他に、つみたて投資枠が用意されており、これら2つの枠の中で投資・運用を行ないます。)
年間240万円まで投資ができ、上場株式をはじめ、ETF、REITなど、幅広い商品が対象です。
なお、定期購入(つみたて)だけでなく、スポット購入も可能であり、現在は、1364本のうちETFが104本、それ以外の投資信託が1260本の詳細が公表されています。
ETFとは
「Exchange Trend Fund」の略で、上場投資信託を指します。
ETFは取引所に上場しているため、取引時間内であれば証券会社を通してリアルタイムで取引が可能です。
日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)など、指数に連動して運用されます。
REITとは
「Real Estate Investment Trust」の略で、不動産投資信託のことです。
投資家から集めた資金で不動産へ投資し、得られた賃料収入や売却益などを、投資家に還元します。
実際の不動産投資時はある程度まとまった資金が必要になりますが、REITでは少額から投資ができます。
スポット購入とは、購入したい商品(銘柄)を、自分の好きなタイミング、かつ好きな金額で購入できる方法をいいます。
一括購入と表現されることもあります。
成長投資枠から除外される銘柄の条件
成長投資枠は投資対象の幅が広いとはいえ、下記の4つの条件に当てはまるものは、リスクが大きく、資産形成にふさわしくない商品として除外されます。
①整理・管理銘柄である
整理銘柄とは上場廃止が決定した銘柄のことで、管理銘柄とは上場廃止基準に該当する可能性のある銘柄のことです。
どちらも、すぐに購入できなくなり、資産形成できない可能性があるため、除外されています。
②信託期間が20年未満
長期での資産運用を目的にしているため、信託期間が短いものは除外されています。
③毎月分配型である
毎月分配型はその名の通り、毎月決算が行われ、収益の一部を投資家に分配する商品です。
「毎月分配金がもらえるならいい商品なのでは?」と思うかもしれませんが、毎月収益が出る保証はありません。
収益が出なかったときには元本、つまり投資家たちから集めた資金を崩して分配金が支払われるため、資産を形成する観点から、毎月分配型はふさわしくないとして除外されています。
④デリバティブ取引による運用
デリバティブ取引とは、取引金額を現時点で決めて、モノとお金のやり取りは将来取引するものです。
少ない資金で大きな取引ができる特徴があり、効率的な資産運用ができます。
一方で、予想していた金額が反対に動いた場合、最初に預けた金額以上の損失になる可能性があるため、成長投資枠から除外されています。
成長投資枠の活用方法
「とにかくリターンを重視したい!」という方は、つみたてNISA枠では購入できない、個別銘柄やREITを購入することも考えられるでしょう。
しかし、リターンが大きいということは、リスクも大きくなります。
ご自身が許容できる範囲で購入するようにしましょう。
「上場株式ではなく、投資信託をコツコツ積み立てる方式で資産を運用したい」という場合は、成長投資枠は使わずにつみたて投資枠のみ(年間最大360万円)を使う方法も一案です。
新NISAの成長投資枠はリスクの許容度や目標に合わせて活用しよう
新NISAは、中長期的な資産形成を目指すためのものであり、短期の価格変動に左右されるのではなく、長期的な視点を持つようにしましょう。
成長投資枠はリターンを期待できる一方で、価格の変動リスクも伴いますので、ご自身の投資目標やリスク許容度に基づいて、バランスの取れた商品を選ぶことが大切です。
当センターでは、新NISAやiDeCoなど、これからの資産形成の際にぜひ活用したい各制度のお悩みやご相談をお受けしています。
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執筆:NISA・iDeCo相談センター編集部