投資信託は、投資家たちから集めた資金を、プロが代行して投資を運用してくれるものです。
そのため、購入時や保有時など、さまざまな面で手数料が発生します。
投資信託における手数料の種類
投資信託にかかる手数料には、大きく次の4つです。
-
- 購入時手数料
-
- 信託報酬
-
- 信託財産留保額
- 換金手数料(解約手数料)
手数料は運用成果に影響を与える重要な要素ですので、「少額だし大丈夫」などと安易に考えず、詳細を正しく理解しましょう。
①購入時手数料
購入時手数料とは、投資信託を購入する際に、販売会社に支払う手数料で、購入代金に所定の率をかけた金額を負担します。
購入時手数料の上限は、目論見書に定められているため、購入する際には確認しましょう。
また、上限の範囲内であれば、販売会社が商品ごとに自由に率を変えられるため、同じ投資信託でも販売会社によって手数料が異なることがあります。
目論見書とは投資信託の内容や運用方針、手数料など、投資判断に必要な情報が記載された書類のことです。
また、購入時手数料がかからない投資信託のことをノーロードと言います。
初期費用が抑えられるため、初心者の方でも購入しやすいです。
ただし、あくまで手数料がかからないのは購入時手数料だけで、信託報酬や信託財産留保額などはかかることを覚えておきましょう。
②信託報酬
信託報酬とは、投資信託を運用・管理する会社に支払う報酬です。
運用会社は、投資商品の選定や売買などを行うために、コストをかけています。
また、投資家に対して運用報告書を提供し、適切な運用を行う責任も負っています。
信託報酬は、投資信託の純資産総額に対して一定の割合で計算されます。
純資産総額は基準価額に連動して日々変動するため、毎日違った金額となります。
一般的に、信託報酬は、特定の指数への連動を目指すインデックスファンドより、積極的な売買で収益を目指すアクティブファンドの方が高い傾向にあります。
③信託財産留保額
信託財産留保額は、投資信託を解約する際に、(解約する)投資家が負担する費用です。
投資信託を解約すると、運用会社は株式や債券などの金融商品を売却して返金します。
売却する際にかかるコストを解約した投資家に負担させるのが、この信託財産留保額です。
この信託財産留保額があることで、投資信託の解約を抑えることができ、運用が安定します。
なお、信託財産留保額は解約時に売却益から引かれることを覚えておきましょう。一般的に0.3%程度ですが、信託財産留保金制度を採用していない投資信託もあります。
購入前に目論見書で確認するようにしましょう。
④換金手数料(解約手数料)
換金手数料(解約手数料)とは、投資信託を解約する際にかかる手数料です。
手数料は、投資信託によって異なり、一般的に1〜2%程度です。
また、必ずかかるわけではありません。無料の場合は、運用益をそのまま受け取れます。信託財産留保額と併せて目論見書で確認しましょう。
投資信託に関するよくある質問
この章では、投資信託に関するよくある疑問にお答えします。
よりよい選択ができるよう、投資信託に対する理解を深めていきましょう。
投資信託に税金はかかるの?
投資信託で得られる利益には、分配金と譲渡益の2種類あり、それぞれ税金がかかります。
分配金とは、運用の結果得られた利益を投資家に分配するお金のことです。一方、譲渡益とは、投資信託を売却(解約)したときに得られる利益です。
なお、分配金と譲渡益のどちらも20.315%の税金がかかります。
しかし、現行のNISAやつみたてNISA、来年から始まる新NISAは、これらの税金はかかりません。まさに投資を始めやすい環境が整っていると言えるでしょう。
投資信託の手数料は安い方がいい?
正直なところ、はいとは答えられません。
なぜなら、特定の指標に連動することを目指すインデックスファンドや、指標よりも上の収益を目指すアクティブファンドなど、投資信託によって内容が違うため、比べられるものではないからです。
大切なのは、手数料に見合った成果を得られるかどうかということです。
手数料に見合った利益が得られるかどうか、運用実績や運用状況が記載されている運用報告書で確認するようにしましょう。
手数料に見合った投資信託を選ぼう
今回は、投資信託における手数料について解説しました。
手数料が違えば、同じような内容の投資信託でも得られる利益が変わってくるため、目論見書を読んで確認しましょう。
「投資信託を始めたいけど何をしていいかわからない」「投資信託に関する必要な情報を知りたい」など、お困りの際は、ぜひ当センターにご相談ください。
あなたの資産づくりのスタートを後押しさせていただきます。
執筆者NISA・iDeCo相談センター編集部