NISA

海外赴任時にNISA口座の資産はどうなる?

投資の運用益が非課税になるNISAですが、利用できるのは「日本にお住まいの方」に限定されています。

もし海外赴任や転居があったら、どうなるのでしょうか。

今回は海外赴任や転居時のNISAについて、手続きや注意点を解説します。

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5年以内の海外赴任ならNISA口座を保有できる

2019年度の税制改正により、海外転勤などで一時的に出国する場合でも、NISA口座で資産を最長5年保有できるようになりました。

しかし、海外赴任中もNISA口座を保有するためには、出国前帰国後に手続きが必要です。

まず出国前には、「(非課税口座)継続適用届出書」を金融機関に提出しましょう。これは、出国する日の前日までに提出する必要があります。

夫の海外赴任に帯同する妻がNISA口座を保有していた場合、同様に続きが必要です。

帰国したら、「(非課税口座)帰国届出書」を金融機関に提出しましょう。

この書類を提出することにより、NISA口座において非課税の適用を受けることができます。

提出しなかった場合は、NISA口座は自動的に廃止され、保有商品は特定口座または一般口座へ移管されます。

本来であれば非課税であるはずが、税金がかかることになってしまうため、こちらも忘れず提出しましょう。

出国前・帰国後ともに、新生活の準備などで非常に慌ただしいです。

ついNISAに関する手続きを忘れそうになりますが、対応期日があるため注意しましょう。

海外赴任時におけるNISA口座の注意点

海外赴任中でも5年以内であれば、NISA口座で資産を保有できますが、気をつけなければならない点もあります。

  1. 新規買付ができない
  2. ジュニアNISAは対象にならない
  3. 出国した日から5年ではない

①新規買付ができない

金融機関に「(非課税口座)継続適用届出書」を提出したとしても、海外赴任中にNISA口座で新しく買付できません。

ただし、帰国後には手続きをした上で、新たに買い付け可能です。

②ジュニアNISAは対象外

5年以内の海外赴任だとしても、ジュニアNISA口座は閉鎖して保有している資産を課税ジュニア口座へ払い出す必要があります。

出国する時期と帰国する時期によって、手続きが異なります。

3月31日時点で18歳である年の12月31日までに出国する場合

「出国移管依頼書」を出国日の前日までに提出します。もし、書類を提出せずに出国したときは、出国日にNISA口座が廃止されます。

3月31日時点で18歳である年の1月1日以降に出国する場合

出国日の前日までに「未成年者出国届出書」を金融機関に提出します。

出国すると、未成年口座はその日に廃止されます。このとき、すでに払い出し制限が解除されているため、未成年者口座、または課税未成年者口座に移した上場株式などを、非課税で払い出すことができます。

1月1日時点で19歳である年の12月31日までに帰国した場合

「未成年口座を開設している者の帰国に係る届出書」を未成年口座を開設した金融機関に提出します。

1月1日時点で20歳である年の1月1日以降に帰国した場合

20歳になっているため、帰国後に未成年口座で取引を行うことはできません。

しかし、NISAの非課税口座を開設して、取引を行うことができます。

③出国した日から5年ではない

先述した通り、非課税が適用される期間は最長で5年ですが、出国した日から5年後というわけではありません。

次に挙げる2つのどちらか早い日の間まで、非課税期間が適用されます。

  • 帰国後に金融機関に「帰国届出書」を提出する日
  • 「(非課税口座)継続適用届出書」を提出した日から、5年を経過する日の属する年の12月31日

いずれか早い方となるため、覚えておきましょう。

書類を提出すれば非課税が適用されますが、提出しなかった場合には適用されなくなってしまいます。忘れず提出するようにしましょう。

海外赴任時のNISAに関するよくある質問

質問①手続きをしなかったらどうなる?

手続きをせずに出国すると、NISA口座を凍結される可能性があります。

また、「(非課税口座)継続適用届出書」を提出した日から、5年を経過する日の属する年の12月31日までに「帰国届出書」を提出しなかった場合、NISA口座は廃止され、NISA口座に預けていた上場株式や株式投資信託などは一般口座へ移管されます。

質問②海外赴任中に非課税期間が終わったらどうなる?

海外赴任中に、NISA口座の非課税期間が終了した場合には一般口座へ移されます。

一般口座へ移されると課税対象となるため、非課税の恩恵が受けられなくなることを覚えておきましょう。

手続きをすれば海外赴任中でもNISA口座を保有できる

出国前に手続きすれば、5年以内の海外赴任に限ってNISA口座を保有できますが、海外赴任中は買付ができないこと、非課税期間が終了した場合は一般口座に移され、課税されることなど注意点があります。

出国前に手続きをすることで、NISA口座を廃止することもできます。

そのため、NISA口座を保有し続けるか廃止してしまうか、どちらがメリットになるかをよく考えましょう。

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執筆者:NISA・iDeCo相談センター編集部