職場のDCとは?

職場のDCとは?

老後2,000万円問題が話題になるなど、セカンドライフにかかるお金を現役時代からきちんと準備したいと考える人は多いです。

老後に受け取る公的年金に上乗せする形で、個人や企業が自ら加入する仕組みを私的年金といい、私的年金の1つに企業型確定拠出年金があります。

企業型確定拠出年金(DC)とは、企業(勤務先)が毎月の掛金を積み立て、従業員が金融商品の中から投資先の商品を選んで資産を運用します。

つまり、将来受け取る金額は運用成果に応じて変動し、損失が生じる可能性があることは理解しておかなければなりません。

ここで注意したいのが、iDeCoと確定拠出年金(DC)の違いです。

iDeCoは個人型確定拠出年金といい、企業型とちがって勤務先を経由せず、個人が自ら加入する私的年金です。

これまでは、企業型確定拠出年金(DC)の加入者は規約で定めていない限り、個人型確定拠出年金(iDeCo)に加入できませんでした。

しかし、2022年以降の改正で、原則として企業型確定拠出年金(DC)加入者は誰でも個人型確定拠出年金(iDeCo)に加入できるようになったという変更点もぜひ覚えておきましょう。

なお、企業型確定拠出年金(DC)は従業員が自動的に加入する場合と、選択型企業DCといって、企業型確定拠出年金(DC)に加入するかどうかを選択できる場合があります。

企業型確定拠出年金(DC)のメリットとしては、原則60歳まで引き出すことができないため老後資金を確実に準備できる点と、以下のように運用時と受け取り時に税優遇がある点です。

企業型確定拠出年金(DC)を理解する上で知っておきたいのが、マッチング拠出という仕組みです。

先述の通り、企業型確定拠出年金(DC)の掛金は勤務先(企業)が負担しますが、「勤務先が拠出する(出す)お金では不安なため、自分でもお金を出して企業型確定拠出年金で運用したい」と考える人もいるかもしれません。

このようなとき、勤務先(企業)が出すお金に従業員が掛金を上乗せすることができる場合があり、これをマッチング拠出といいます。

手元資金に余裕があるなど、上乗せを希望する場合は積極的にマッチング拠出を利用しましょう。

※ただし、勤務先(企業)によってはマッチング制度を導入していないケースもあるため、詳細は事前に確認しましょう。

なお、従業員が自ら負担するマッチング拠出のお金は、全額が所得控除の対象になって、所得税や住民税の負担を軽くすることができます。

最後に、転職・退職時は企業型確定拠出年金(DC)で積み立てたお金の移換が必要です。

転職先に確定拠出年金(DC)がある場合

転職先の確定拠出年金(DC)にお金を移すことが可能です。

退職日の翌日に確定拠出年金(DC)の資格を喪失しますので、資格喪失月の翌月から6か月以内に移換手続きが必要です。

転職先に確定拠出年金(DC)がない場合

転職先に確定拠出年金がなければ、iDeCo口座を開設してお金を移換します。

iDeCoに移す場合、加入者として掛金を拠出するか、運用指図者として掛金は拠出せず運用だけを継続するか、どちらかを選択しなければなりません。

なお、移換手続きは退職後6か月以内に行う必要があり、手続きには1〜2か月ほどかかることがあります。

自営業者・公務員・専業主婦(夫)になる場合

独立・開業や、公務員への転職、退職して専業主婦(夫)になる場合は、上記の「転職先に確定拠出年金(DC)がない場合」と同様に、iDeCo口座の開設が必要です。

なお、iDeCoへの移換を忘れて確定拠出年金を放置していると、お金は現金化されて国民年金基金連合会に自動的に移換されます。

自動移換後の加入期間として認められないため、税金の優遇額が減るだけでなく、毎月手数料が発生するため、国民年金基金連合会に自動移換された場合のデメリットは非常に大きいです。

このような事態を避けるためにも、転職・退職時は確定拠出年金(DC)の手続きは必須です。

当センターでは、確定拠出年金の概要の説明や加入にあたっての疑問・不安の解決など、さまざまなことをご相談頂けます。

「入社時に説明を聞いて以来、何もしていない」

「そういえば私の確定拠出年金ってどうなっているんだろう」

「会社から資料をもらったがよくわからない」

このような疑問を抱いている方にこそ、ぜひご利用頂きたいセンターですので、お気軽にご相談ください。

top_img

カテゴリ「職場のDC」の投稿